B.MAGAZINE編集長・菜波の「教えて!」B.Hope編
「Social Innovationの実現」を目指し、ステークホルダーとともに様々な社会的責任活動に取り組む「B.LEAGUE Hope(以下B.Hope)」。B.MAGAZINE編集長の菜波がSR推進グループの山本千枝子、井坂万里にお話をうかがいました。
今回の登場人物
山本千枝子
バスケットボール・コーポレーション株式会社
2021年入社。IT関連企業のコンサルからクラブスタッフを経て、現在はB.Hopeを担当。
井坂万里
バスケットボール・コーポレーション株式会社
2017年入社。広告代理店での営業や、動画制作会社でのCRM業務に従事。バスケットボールコーポレーション株式会社の経営管理部を経て、現在はB.Hope担当。
B.Hopeって何?
菜波 今日はB.Hopeについて教えていただければと思います。このワード自体は聞いたことがあるんですけど、どういったことをしているのかわからなくて。2人はどういった業務をされているのですか?
井坂 普段はファイナルやオールスターなど、年に2回あるB.LEAGUE主管のイベントに向けた企画の立案と、実施に向けての準備調整がメインの業務ですね。あとは、オフシーズンの選手会との活動も、大きなプロジェクトの位置付けです。
山本 そのほかにも、事務局の機能として全国のクラブと連携しています。クラブとの向き合いと、B.Hopeとして主導で実施する年2回のプロジェクト。この2軸を中心に業務しています。
菜波 B.Hopeは社会貢献の取り組み、ということで合っていますか?
井坂 そうですね。よく私たちが「B.Hopeって何ですか」と聞かれた時に言うのが、『People、Peace、Planet』と3つの“P”を、3ポイントシュートと……。
菜波 サイトを見ましたよ。オフコートでの3ポイントチャレンジとして活動していくという内容ですよね。
井坂 そうです! その3つの分野で、オフコートでの社会的責任活動を推進していこうというものです。
菜波 具体的にはどういった活動をしているのでしょうか?
井坂 直近ではスペシャルオリンピックス日本とシーホース三河で行っている取り組みを支援しています。スペシャルオリンピックス日本は知的障がいを持ったアスリートの方々が所属する団体です。知的障がいがある人もない人も壁のない共生社会を目指していこうというテーマで、認知拡大のためにホームゲームでPRブースを出展しました。
菜波 ところで、どういった経緯でB.Hopeの業務を担当するようになったのですか?
山本 私は新卒でIT系の会社に入りましたが、小学生の頃からバスケットボールをやっていて、スポーツに関わりたいという思いがありました。その後クラブスタッフを経て、2021-22シーズンからB.Hopeに関わっています。
井坂 同じく私も小学校からバスケットボールをしていまして、バスケットボールに関わる仕事がしたくて、2017年に入社しました。B.Hope担当になったのは2023年10月と最近で、部署異動を希望して、加わりました。
どうしてB.Hopeの活動が大事なの?
菜波 B.Hopeという活動をリーグがやる意義はどんなところにあると思いますか?
山本 私たちはファンの方々や地域に支えられて存在しています。スポーツ団体として競技だけではなく、世の中から必要とされ続ける、期待に応え続けるために、地域や社会の課題解決に向き合うことが絶対に必要だということから立ち上がりました。「バスケットボールで日本を元気に」ということも掲げていますけど、地域に根ざして、社会貢献もする。オフコートで日本を元気にしていくことがB.Hopeの意義だと思います。
井坂 私も山本さんと同じ思いを持っています。地域のニーズに応えられる団体でありたい、という視点は、B.LEAGUE立ち上げ当初からあるものです。地域密着型のプロスポーツリーグとして、クラブがあることで地域が良くなっていくという相乗効果を目指さなければならないと考えています。
菜波 地域密着という観点で、すごいなと思ったことがありました。宇都宮に行った時に、公園に比江島慎選手が出てきた瞬間、子どもたちが一斉に集まってきて。バスケットボールが地域に根付いているというか、地域とクラブの連携が取れているから、そういった雰囲気が生まれているのかなと思いました。
井坂 B.HopeはB.LEAGUEとしての社会的責任活動ですが、各クラブも立ち上げ当初から社会貢献への感度が非常に高く、多面的に活動を展開しています。選手が小学校のあいさつ運動に参加したり、ファンの人や街の人とゴミ拾いをしたり。あいさつ運動も背の高い選手や、可愛いマスコットが来ると……。
菜波 選手のことがわからなくてもワーってなりますよね。
井坂 子どもたちにも大人気です。笑
菜波 これまでB.Hopeとして活動してきた中で、印象に残っているものはありますか?
山本 一つには絞れないですね(笑)。直近でいうと「B.LEAGUE ALL-STAR GAME WEEKEND 2024 IN OKINAWA」。離島の子どもたちを招待して、コート上でのプレーを体験してもらいました。彼らは本島に来ないと練習試合ができないといった、離島ならではの課題を抱えています。そういった背景から数ヶ月間「リモートコーチング supported by ソフトバンク」に参加してもらい、子どもたちを招待したのですが、「今日だけは離島に生まれてよかった」という声をいただきました。胸が熱くなりましたね。
井坂 私はまだ異動したばかりなので、オールスターの取り組みが初でした。沖縄の子どもに関する社会課題にアプローチした企画が心に残っています。沖縄市の子どもを招待して、B.LEAGUEの選手とボールを使った遊びをする企画をしました。先生を通じて「毎日1回は嫌なことがあるけれど、今日だけは1日ずっと楽しかったです」と言ってもらえて。その後にも「B.LEAGUEの皆さん、ありがとう」とメッセージカードを送ってくれました。子どもたちの笑顔や真っ直ぐな言葉は、我々のモチベーションになっています。。
菜波の持ち込み企画が実現?
菜波 今後、お2人がやっていきたいことはありますか?
井坂 そうですね、「そなえてバスケ supported by 日本郵便」のような、全クラブを巻き込んでの企画を増やしていきたいと思っています。
山本 スマホでできるもので、「地震が発生した。あなたはどうする?」と言った問題に答えて防災意識を高める企画です。B.LEAGUEでも「ディフェンス・アクション」と名付けて、バスケットボールの守備と災害から身を守ることをかけて、防災バスケという取り組みをしています。例えば必要な備蓄品を覚える時間を作って、三角パスをしながら備蓄品を言っていくオリジナルのプログラムがあります。
菜波 三角パス、懐かしいです!
山本 体を動かして、楽しみながら防災知識をつけられるのはいいですよね。
井坂 B1、B2の全クラブが参加して、クラブ対抗で点数を競い合いました。B.LEAGUEの良さは、各地にクラブがあることで、日本中を巻き込めることや発信力にあると感じています。クラブ全体を巻き込んだ企画を準備して、日本中に取り組みを広げていく。そういったチャレンジをしてみたいですね。
山本 B.Hopeとしてもやって終わりではなくて、やったことやその意義を知ってもらうことも大事だと思っています。日頃から広報チームと連携してメディアの方にも興味を持ってもらえるように、というところも目標としながらやっています。
菜波 こういった取り組みを知らない人もまだまだいますもんね。
井坂 そうですね。「日本生命 B.LEAGUE FINALS 2023-24」では、オフコート3ポイントアクションで、 B.LEAGUEの興行としては初めて『Planet・Peace・People』の全部の領域でのアクションにチャレンジしました。
菜波 初めてなんですね。
井坂 一度で3つは初めてなんです。『Peace』の部分では、能登半島の地震で被害の大きかった奥能登の地域の子どもたちを招待して、ファイナルの華やかな雰囲気を楽しんでもらいました。また奥能登はすごくバスケットボールが盛んな地域なので、選手が参加するクリニックも実施しています。『People』ではスペシャルオリンピックス日本とのコラボレーションで、知的障がいを持ったアスリートと、そうではないB.LEAGUEの選手との一緒になって、ユニファイドなバスケットボールをオンコートで実施しました。『Planet』の部分では、わかりやすく分別ができるゴミ箱とブースを準備して、ファンの皆さんに声がけをしています。
菜波 私もちょっと考えたんですけど、選手にフリーマーケットをやってもらったらおもしろいかなと思って……。
山本 B.LEAGUEでもクラブでも、選手が動くことや発信することはすごく重要ですし、影響が大きいんです。知らない分野でも、選手が説明してくれると見てしまうことってあると思います。選手もファンも巻き込める素晴らしいアイデアだと感じました。
菜波 これだけは言おうと思って、考えてきました(笑)。
井坂 実は1月のオールスターで、選手に着用したユニフォームにサインをしてもらい、能登半島への支援活動に当てさせていただくという、チャリティーオークションを実施しました。その売上は昨シーズンの約2倍にもなったんですよね。その売上は昨シーズンの約2倍にもなったんですよね。チャリティーフリマという形もおもしろそうです。
山本 本当にファン目線は大事ですよね。特に環境分野は難しいんですけど、やはり楽しみながらアクションができるといいですよね。先ほどのディフェンスアクションのように、バスケットボールをしながら学ぶ、選手と一緒に取り組んでみる。そういった要素が大事だなと、菜波さんの話を聞いて改めて思いました。ぜひ会議にも参加してほしいですね。
井坂 「菜波さんと一緒に考えた!」みたいな。
山本 菜波さんと子どもたちの触れ合いバスケットボール、みたいな形もおもしろいかもしれないですね。各クラブと連携を取って各地を回るとか。
菜波 会議も参加しますし、マイバッシュを持って各地にも行きます! お話を聞いていてB.Hopeの重要さと2人のワクワク感がすごく伝わってきて、「これは社会が良くなっていくな」と思いました。今日はありがとうございました!
B.MAGAZINE編集長 菜波|プロフィール
1998年9月10日生まれ。日本とイランのハーフ。東京都出身。 中高6年間バスケットボール部に所属。学生時代にSNSへ投稿したバスケットボールのドリブル動画が女性ファッション誌「CanCam」編集長の目に留まり、専属モデルに抜擢され、「SNS発の専属モデル」となった。 乳酸菌ソムリエやヨーグルトソムリエ、フードスペシャリストの資格を持つ。