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『スタッツで見るBリーグ』リバウンドを制する者はゲームを制すは本当か?

文=しんたろう

「リバウンドを制する者はゲームを制す」

漫画『スラムダンク』で赤木剛憲が桜木花道にかけた名セリフだが、NBAでも古くから語られてきた格言の一つでもある。この格言はBリーグにおいてもあてはまるのか、2つのアドバンススタッツを用いて検証していこう。

オフェンスリバウンド獲得率

このスタッツは、自分たちのシュートが外れた時(2本目のフリースローが外れた場合も含む)に、リバウンドできた割合を示すスタッツである。このスタッツを見ることで、単にリバウンド数が多いだけでなく、そのチームがリバウンドをしっかりと意識しているかどうかがわかる。例えば、「シュート自体は決まりやすいが、外れた時にはリバウンドを取れている」といったチーム戦略が伺える。

計算式はこちら。

【(C) B.LEAGUE】

この式は、オフェンスリバウンドが発生するすべての機会(=自チームのオフェンスリバウンド数+相手のディフェンスリバウンド数)の総数を出し、その中で自チームがオフェンスリバウンドを取れた割合を計算している。

ディフェンスリバウンド獲得率

このスタッツはオフェンスリバウンド獲得率とは逆に、ディフェンスリバウンド機会に対して、実際にディフェンスリバウンドを取れた割合を示している。

まずは、オフェンスリバウンド獲得率ランキングから見ていこう(データは第25節終了時点。オフェンスリバウンド本数と順位、リーグ順位も併記)。

【(C) B.LEAGUE】

25節終了時点のチャンピオンシップ圏内8チームのうち、5チームがランクイン。本数では5位のA東京、8位の島根が獲得率ベースでは2位、5位に入っている。これは、試合のペースが遅いチームであることと、決定率の高さによるものである。4位にランクインしている仙台は、セカンドチャンスポイントはリーグ10位と獲得しているオフェンスリバウンドを生かしきれていないことがわかる。

続いて、ディフェンスリバウンド獲得率ランキング(データは第25節終了時点)。

【(C) B.LEAGUE】

チャンピオンシップ圏内8チームのうち、4チームがランクイン。本数と獲得率のランキングが大きく乖離した結果になっている。横浜BCと北海道の本数は16位と22位と少なくなっているが、獲得率はそれぞれ2位、3位と高くなっている。これは一見ポジティブな結果に見えるが、これらのチームは被2ポイント決定率や被3ポイント決定率が高く、フリースローを与えたポゼッションも多いチームである。そのためディフェンスリバウンド機会が少ないために発生した結果であることは注意が必要だ(例えば、7/10本を獲得するよりも、70/100本を獲得した70%の方が難しい)。

逆にディフェンススタッツがポジティブである1位のA東京に対して、ディフェンスリバウンド本数だけを見て、獲得できていないチームと考えるのは早計だろう。

注目チームは?


【(C) B.LEAGUE】

シーホース三河(OR獲得率20位、DR獲得率7位、中地区2位)

オフェンスリバウンド獲得率が低いにもかかわらず、ディフェンスリバウンド獲得率が高い。オフェンスリバウンド獲得率が極端に低い理由については、オフェンスリバウンド機会が少ないことが考えられる(※2ポイント決定率がリーグで最も高く、ペイントエリアからの得点割合もリーグ有数の高さであるため、ゴール近くからイージーなシュートを決めていると推測)。

これは三河の試合を見るとわかりやすい。三河のオフェンスは5人全員が3ポイントライン以遠にポジショニングし、ゴールに近いペイントエリアを空ける5アウトという戦略を取っている。

本来リバウンドを得意とするビッグマンもゴールから遠い位置にいるため獲得しにくい。加えて、各選手がゴール付近で確実にシュートを決めているため、オフェンスリバウンドが発生しにくく、その結果オフェンスリバウンド獲得率が低くなっている。


【(C) B.LEAGUE】

名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(OR獲得率1位、DR獲得率20位、西地区2位)

先に述べた三河とは獲得率が正反対になっている。オフェンスリバウンドに関しては、ORランキングリーグ7位のジョシュア・スミスと同13位のスコット・エサトンをはじめ、ランキング上位50傑に4名がランクインしているため、戦略的にも重要視していることがわかる。

ディフェンスリバウンドを見てみると、ディフェンスリバウンド機会がリーグで2番目に多いチームであることも一因と考えられる(※シュート単体で見ると外れやすい3ポイントを打たせるチームであり、その被決定率も低く、試合ペースも速い)。

個人的には、ゾーンディフェンスを多用するチームであることも獲得しづらくなっている一因であるように考えている(※ゾーンディフェンスは対人で守るマンツーマンよりもリバウンドを獲得しにくいと言われる)。

オフェンスリバウンドを制する者が、ゲームを制す⁉︎

スタッツだけを見ると、(上位12チームにCS圏内7チームがランクインしている)オフェンスリバウンドを制する者が、試合を制している結果になった。実は21-22シーズンからこの傾向は続いており、今季も変わらず継続中だ。

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